出来事帖     宝立七夕祭

 能登半島の各地にはキリコ祭りとよばれるこの地域独特の伝統行事がある.これは,キリコと呼ばれる巨大な御神燈が担ぎ出され,神輿のお供をして夜を徹して街中を練り歩く夏の祭りである.
 能登半島の先端に位置する珠洲近隣では“月遅れの七夕”に盛大にキリコを担ぎ出す習慣があるそうだが,この宝立(ほうりゅう)七夕祭はその中でも最大のものである.
 俺は7月初めに和倉温泉で開催されるキリコフェステバルでバイトをしたことからキリコの魅力に取り付かれ,ワークスを駆って能登半島の先端までこの祭りを見に行ってきた.
 


 珠洲までは,以前は能登鉄道の臨時便なんかもあってまだ行きやすかったらしいが,能登鉄道が廃線になってからは車で行くしかない.後輩3人を拾って,金沢を夕方5時半に出発した.
 能登半島の先端と言うとごっつ遠いように思えるが,能登有料道路→珠洲道路と走ると意外と早い.8時過ぎには現地に到着.


 駐車場からは5分ほど歩くのだが,すでに遠くには光る縦長の物体が見えている.そいつの正体はこいつ.高さ14mもある巨大なキリコ.
 ちなみにキリコとは,切子灯籠の略称だそうな.なるほど,遠くからでもよく見える.



 祭りの会場は珠洲市の見附海岸とその近くの港町である.
 若衆に担がれた巨大キリコは独特の囃しと共に群集の目の前を練り歩く.間近で見るそれは迫力満点である.




 鵜飼川の左岸にいたキリコは一旦,橋を渡って右岸に移動する.




 川の対岸に集結したキリコ.
 川面への映り込みが綺麗.





 その後キリコは再び川の左岸に戻ってくる.
 見附海岸の入口で集結してひと休み.
 14m級の巨大キリコは6本.集結するとさらに厳つい.

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 こちらは小型のキリコ2本.
 子供会かなんかやったと思う.




 そして祭りはいよいよ最高潮へ.
 キリコは見附海岸へ向かう.

 この写真からもキリコの巨大さがよくわかる.




 キリコを担いでいるのはサラシにねじり鉢巻の男衆.迫力満点.

 このあとキリコは波打ち際に並んで小休止.





 そして祭りはいよいよクライマックスを迎える.
 沖に設置された松明に火が灯されると,キリコはいっせいに松明を目指して海に入る.




 松明の周りを海中乱舞する巨大キリコ.
 炎の周りを乱舞するキリコはさらに迫力がある.

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 さらに海中花火に点火される.
 上空の花火とは一風違った美しさと迫力がある.




 キリコと花火.




 海中乱舞するキリコと花火.
 何か不思議な雰囲気が漂っている.





 沖の松明の周りを海中乱舞するキリコの群れ.夜の漆黒の海に映るキリコと炎が美しい.
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