出来事帖     人力飛行機テストフライト見学 in 飛騨

 俺は大学で,夢考房というものづくりのプロジェクト(部活みないなもの?)に所属している.
 ここにはソーラーボートやらフォーミュラーカーやらロボットやら,いろいろなプロジェクトがあるが,ひときわ製作物が大きく,異色を放っているのが人力飛行機プロジェクトである.そしておそらく夢考房一の体育会系プロジェクトである.
 大抵のプロジェクトは,モノを作ったら試走なんかをするわけだが,飛行機なんてそう簡単に飛ばせない.で,飛騨高山の小さな飛行場を貸しきってテストフライトをする.つまり人力飛行機が飛ぶ姿を間近で見るチャンスである.
 珍しいもの大好きな俺は,今回そのテストフライトの見学に行ってきた.(ついでにカメラマンを頼まれてたり)
 



 金沢を夜中の1時ごろに出発,ワークスを駆って飛騨高山に向かう.行き先は飛騨エアパーク.
 先行して飛行機メンバーの到着を待つ.

 そして午前4:10,まだ暗い飛行場にメンバーの車列が到着.
 熱い一日が始まる.

 オープニングテーマは“地上の星”〜♪



 飛行場のゲートが開門したら早速,機体の搬入が始まる.
 ここからは時間との勝負になる.
 ついさっきまで眠そうにしていたメンバーは一斉に動き出す.

 これはコクピット.




 駐機場に運び出されて組立てを待つ主桁と翼の一部.
 まだこれだけだと機体の形はよくわからない.

 まだ日の出前である.



 機体の組立てを急ぐのにはわけがある.
 大きくて軽い人力飛行機にとって,風は非常に厄介な代物である.そこで,朝凪のうちに飛ばしてしまいたいわけである.
 それにしても今日は天気がいい.風も今はほぼ無風.

 もうすぐ日の出である.





 ついに朝日が姿を現す.(5:03)

 コクピット周り・駆動系の組立て.
 主桁やコクピット構造部はすべてC-FRP(カーボン)パイプでできている.そこに軽量のカウルがついている.



 こちらは前翼の取り付け.
 この機体は先尾翼といって,主翼が機体後方,安定翼が機体前方についている.
 これがピッチ方向の操縦翼となる.



 最も人手を要するのが主翼周り.
 主翼はカーボンパイプを骨に,スタイルフォームのリブが多数つき,そこにフィルムを張ってある.非常に軽量な作りである.
 7分割された主翼が組立てられていく.

 着々と組立ては進んでいく.




 コクピット周りと主翼の組立てが終わると,主翼と主桁が連結される.
 先尾翼機では,主翼は機体後方となる.
 この機体では,コクピット上部に連結される.



 連結作業中.
 主翼を持ち上げ,コクピットの位置を調整する.

 大きな機体の位置を自在に調整する,息の合ったメンバーの動きは見物である.



 主翼と主桁の連結.
 飛行時にはここにほとんどの荷重が掛かる.慎重に固定する.



 最後にプロペラを取り付けると組立ては完成.
 プロペラは機体最後部につく.

 いよいよフライトの準備にかかる.


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