気まぐれ日記


 普段の生活で,何かちょっとしたことがあったり,ちょっとだけ写真を撮ったりしたときに更新します.
 
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2006/7/29(sat)
炎の祭り
 ボートの大会も終わり,サマーサイエンスも終わり,ようやく少し暇ができたところで,またもや能登のキリコ祭りに行ってきた.

 今回行ったのは,能登島の“向田(こうだ)の火祭”.
 キリコ祭りは盛大に松明を燃やす“火祭”の要素があるものが多いが,ここの柱松明は高さ30mと,能登の中でも最大級である.

 毎度のごとく誰かを誘って車出してもらおうかと企んだが,今回は誘える車持ちがいなかったので,鉄道で行こうかと考えた.しかし,この地域の終電は21時前である.最も盛り上がるのが深夜のこの祭りでは,行っても帰ってくることができない.一泊する気もなく,仕方なくレンタカーを借りることにした.
 あれだけ激しく,奇妙で見応えのあるキリコ祭りがあまり認知されていないのは,交通の便が悪い奥能登で,深夜にピークを迎えるという,非常に行きにくい辺りにあるのかもしれない.

 友人Mを拾って,金沢を出たのは15時過ぎ.借りた車はTOYOTA・Vitzの1000cc・ATと,なんとも面白味のない非力な車だが仕方がない.余計な出費を抑えたいし,時間も早いことだし,のんびりと田舎道のドライブとする.
 梅雨明けして間もない夏の空が綺麗だ.夏空.今年は梅雨明けが遅かったからか,この澄んだ青と丘の緑のまぶしさが気持ちいい.
 ところがこの夏空を写真に収めようとして,俺として有り得ない失敗をしたことに気づく.

 …デジカメ忘れた!

 予備のバッテリーはきちんと鞄の中に入れたのに,である.何処に行くときでも必ずデジカメは持って行く俺が,である.それもこんな見応えのあるであろう祭りの時に…
 仕方ないので写真は携帯のカメラで撮った.写りが非常に悪いのはゴメンナサイ.

 向田に着いたのは18時半.向田地区の北側の港が臨時駐車場になっていた.俺たちはツインブリッジから島に渡り,北側から来たのですぐ駐車できたが,能登島大橋から渡っていたら会場を迂回しなければならず,こうすんなりとは行かなかっただろう.
 地区の中心の交差点では,“よさこい踊り”の演舞が行われていた.“よさこい”は高知発の後発の踊りだが,あの熱気に溢れた激しさはキリコとよく合う.


 伊夜比盗_社の境内には大小7本の奉燈(七尾周辺ではキリコをこう呼ぶ)が集結している.そして能登各地の太鼓が代わる代わる演じられていた.太鼓もまた,キリコとよく合う.


 そして完全に辺りが暗くなった20時半ごろ,いよいよ奉燈と神輿が動き出す.
 ここの奉燈はそこそこ大きい.これが担がれ,乱舞するのかと期待したが,しかし過疎化のためか,残念なことに車輪つきである.
 奉燈と神輿は集落を離れ,明かりが全くない田んぼの中にある広場に移動する.闇に奉燈が映える.

 そしてここからが祭りの本番だ.7本の奉燈は,広場の中心にある30mの柱松明の周りを6周する.いかに車輪つきであると言っても,闇の中を奉燈が次々と駆け巡る様は迫力である.
 「ワッショイ」の掛け声をかける子供がいたが,それは違う,「サッカサイヤ」だと父親が教えているのを見ると,こだわりを感じる.奉燈にワッショイの掛け声は似合わない.しかし全体的に掛け声は揃っておらず,いろいろな掛け声が入り乱れる.ここでは奉燈はあくまで前座のようである.

 奉燈の乱舞が終わると,広場は再び一時の静寂に包まれる.暗闇に風の音と人々の話し声しか聞こえない.
 いよいよ松明に点火する準備が始まる.

 広場の隅に数箇所,焚き火がたかれる.すると法被を着た男衆が小松明を持ち出し,それに火をつける.子供から老人まで,街の住人も参加しているようだ.
 それぞれが小松明を持ち,火がつくと,「エッサ,ホイサ」の掛け声と共に,小松明を回しながら広場を駆け回る.100本以上の小さな炎が闇を駆け回る様は幻想的だ.
 おとなしそうに見えるが,この頃には柱松明の周囲には,なにかもの凄いものが潜んでいるような,熱くはないが大きなエネルギを帯びた,浮き足立った不思議な空気に包まれている.

 そして全ての小松明に火がつき,十分に走ったかと思われる頃,笛の合図で一斉に小松明が柱松明に投げ込まれる.
 藁でできた柱松明は,例年なら一気に燃え上がるのだろう.今回は前日までの雨で湿っていたためか,炎が広がるのには少し時間ががかった.
 しかし…


 最初はなかなか広がらなかった炎だが,突然,急速に燃え広がりだした.あっという間にそこには巨大な火柱が出現した.
 潜んでいた何かが噴出し,暴れだしたかのようだ.まさに天を焦がす炎とはこのことだろう.
 松明から50mは離れている俺たちのところにも,熱気が押し寄せる.熱い.

 そして柱を支えている縄が1本,2本と焼け落ちていき,この凶暴な火柱は,何の前触れもなく,突然倒れる.この松明が倒れる方向によって,その年の豊作・豊漁を占うんだそうな.
 松明が倒れるのは一瞬の出来事だ.
 巨大な炎の穂先が俺たちの方向に傾いた.マズイ,と思った次の瞬間,火柱は一気に倒れこみ,「ズン!」と低い音を立てて地面に横たわった.どよめきが上がる.俺たちがいる方向めがけて倒れてきたから,恐怖の入り混じったもの凄い迫力だった.
 松明が倒れたら,先ほどの男衆が燃え盛る松明の足元の柱に縄をかけて,1本ずつ引き抜いていく.30mの巨柱を支えていた丸太である.力技で抜けるものではない.的確に縄を掛け替え,少しずつずらし,1本ずつ引き抜いていく.いまだ燃え続ける巨大な炎の足元で力を合わせる男衆もまた,見物だ.

 その後炎が徐々に小さくなり,人々は徐々に散開していき,奉燈は街に戻り始める.
 俺たちもこのあたりで引き上げ,帰路についた.


 今回の祭りは,観光客の姿も少なく,典型的な地元の祭りといった感じだった.しかしその熱気は凄まじい.あばれ祭りのような動的な熱気はなく,パッと見は冴えないが,静から始まり,眠るエネルギを開放する不思議な迫力がある.身体の奥底に眠る何かを揺すぶられたような,不思議な祭りだった.


2006/7/26(wed)
サマーサイエンス
 大会から帰ってきて一息つく間もなく,昨日,今日とサマーサイエンススクールのStaffとして手伝いをしてきた.
 これは子供たちに科学の面白さを体験してもらおうってな趣旨で,小学生〜高校生向けに大学が開講する課外授業みたいなものである.実験教室やら,ペットボトルロケットやら,グライダーやら,木工教室やら,橋梁模型やら,マイコンカーやら,対象ごとに様々な講座が開講される.で,夢考房Staffはこのスクールの手伝いの中核になる.

 俺が手伝ったのは小学1,2年生対象の“いろんな船を作ろう”.
 1日目はゴム動力のペットボトル船,2日目はヨットを作ろうってな,簡単な工作教室だ.
 工作といっても,牛乳パックを鋏で切って,テープで他の材料と張り合わせるだけ.複雑な部品はないし,穴あけとかスタイルフォームの整形とかは事前に終わらせてあるので,非常に簡単である.
 いかに小学校低学年といっても,この工作は簡単すぎるんじゃないか? とも思ったが,意外に好評だったのはひと安心.多少,作業が遅れる子供もいたが,適当にフォローすれば皆,すぐに完成.俺達は普段,複雑な工作ばかりしているわけだが,こんな単純なものでも子供が喜ぶのを見るとほっとする.

 ところで,授業中はそこそこおとなしい子供たちだが,やはり休憩時間になるとおもいっきりやんちゃである.
 その元気の矛先は当然,俺達Staffに向くわけで…


 小学生に集団リンチくらう大学生.
 あれ? なんか1人,大きいのが混じってる気がするんだが…

 子供は人を見るのがとても的確だ.構って貰えそうな相手を見つけて集団で群がる.
 実はこのサマーサイエンス,基本的に子供の相手が一番大変だったりする…


2006/7/23(sun)
ボート大会2日目〜過酷な海水浴
 大会2日目,今日はロングレース3本が行われる.1000mのスラロームレースと,30分および1時間の耐久周回レースである.
 しかし,昨日のギアBOX破損で完全に走行不能となってしまったため,俺達,人力チームは今日は暇である.
 …実はあのギアBOX,優等生なふりしてただけなのね.
 しかし大会に参加する意義はレースに参加するだけではない.この大会には様々な技術レベルのチームが,いろいろとアイディアを凝らしたボートを持って参加している.他チームのボートの情報収集に走り回ってきた.


 ところで,今年の大会会場はボートを水面に出すのが非常に面倒である.
 昨年までの会場は競艇場やら漕艇場やらで,浮桟橋が十分あったのでボートの上げ下ろしや水上でのメンテナンスも楽だった.

 ところが今年の会場は海水浴場である.即席の小さな浮桟橋が1つあるだけで,基本的に出艇は砂浜から行う.
 ここで,喫水が浅いボートならさほど問題にならない.しかし水中翼艇は,水中にストラットやら水中翼やらが突き出しているので喫水が深い.桟橋から下ろしたいのだが,桟橋は狭い.仕方なく,数人でボートを担いで十分な水深がある場所まで歩き,それからボートを下ろす.…水が冷たい.
 さらに,今年はレスキュー体制が不十分ときている.レース艇はなんとかレスキューできるようだが,試走中の艇までは手が回っていない.
 …結局,ボートを下ろすために胸まで水に浸かり,さらにメンテナンスやレスキューのために工具を紐で提げて泳ぎ回る羽目になってしまった.
 沖50mで走行不能 → とりあえず様子見に泳いでいく → 岸までボートを曳航(泳いで) …となってしまうのである.もう大変.


 腰まで海水に浸かっての出艇・回収.冷て〜
 こちらは同じチームのソーラーボート.

 今年初の海水浴となってしまったのだが,この霧雨が降る寒い海に入りっ放しはかなり厳しかった.
 もう少し桟橋とレスキューを増やして欲しい.


2006/7/22(sat)
ボート大会1日目〜そしてギアは飛んだ
 今日も鬱陶しい天気に変わりはないが雨は降っていない.ソーラーボートには辛い曇天だろうが,人力には暑すぎずちょうどいい天気だ.
 水中翼関係のセッティングが全くできていないので,早めに試走して様子を見たいところだが,大会運営側からは,レスキュー体制が整うまで水面に出るのは禁止とのこと.う〜ん,結局ぶっつけ本番になってしまうわけね.

 ところで,俺たちが参加している大会について少々.
 “ソーラー&人力ボートレース全日本選手権大会”と長ったらしく物々しい名前がついているが,大学の授業や企業のサークルから,個人まで,様々なチームが参加しているアットホームな大会である.マシニングセンタで水中翼を削り出すなど,もちろん工業系の企業チームの技術力は凄いのだが,グラインダとベルトサンダーだけでステンレスのプロペラを削り出すなど,個人チームでも驚くような高い技術を有しているチームもいる.で,そんな高い技術を持つチームだが,話しかければいろいろとノウハウを教えてもらうことができるのがこの大会のいいところだろう.

 大会1日目の今日は,ショートレースが行われる.午前中に予選100m,午後は決勝200mのレースだ.
 予選は1艇ずつ100mの直線を走行してタイム計測をする.任意のタイミングでスタートできるし,実質のスプリント能力はここで評価できる.
 決勝は予選で速かった艇から順に6艇ずつ,シグナルにより一斉にスタートして200mの直線を走行して着順を競う.これはスタート前の助走なんかも影響するから,レース色が濃くなる.
 今回の俺達のボートは,長距離仕様となっていて水中翼が大きいから,スプリントでは不利だ.まぁしかし,とりあえず水中翼走させたい.


 水面が使えるようになったのは,開会式と選手ミーティングが終わった10時半ごろ.
 早速,ボートを水面に出して試走する.
 改良した操舵系は問題なく機能している.同じく改良した駆動系により,チェーンの外れも起こらない.いい感じだ.これならいけるかも.

 ところが,いよいよ翼走できるかテストしてみようと沖へ向かったときに,衝撃音が響く.
 今度はなんだ? チェーンは問題なさそうだ.流木にでも当たったか? だが水中翼もプロペラもきちんとついている.駆動系の抵抗もない.むしろ軽くなった感じだ…プロペラが回っていない!
 疑惑のギアBOXか!? とメンバー一同,肝を冷やしたが,ドライブシャフトは回っている.
 この問題は,プロペラをドライブシャフトに止める割りピンが折れたことだった.設計ミスによる強度不足.急ぎ,穴を拡張してネジを切る応急処置をし,割りピンをボルトに変えて再び出走.工具持って来てて良かった.

 既にショートレース予選は始